以前電車に乗っていた時のことです。
近くに立っていた大柄な男性が突然スローモーションのようにゆっくりと膝から崩れ落ち、そのまま床に仰向けに大の字になって倒れこんでしまいました。
たまたま私はバッグの中にバッチフラワーのレスキュークリームを入れていたのですが、大勢の人の前で使うのは勇気がいります。
「お願い、誰か助けてあげて」と周囲を見回しましたが、周りはびっくりしたまま無言で彼の周りを取り囲み、見下ろすだけ。
誰一人救護しようとしませんでした。
神様は私にレスキュークリームを使えよと言っているのだと覚悟を決め、勇気を出してしゃがみこんで男性の顔を覗き込みました。
意識はあるようです。でも全く動けないらしい。
「これは気持ちを落ち着かせる緊急用のクリームです。皮膚に塗ってもいいですか?」と声を掛けました。(エッセンスなどのアイテムを人に使うときは必ず許可を得ましょうね)
男性は仰向けになったまま、「はい。」と弱々しく答えました。
そこでパンツの裾から覗いている両足首にレスキュークリームを塗りました。
その間、誰一人私に話しかけたり咎めたり疑問を呈する人もなく、都会の人の無関心さがいい意味で救いでした。
数十秒経ったときです。
彼は何事もなかったかのように急にむくりと起き上がると自力でさっさと椅子に腰かけたのです。
ここまではよかったです。
しかし、様子が変なのです。まだ調子が悪いのか、がっくりと首を項垂れた状態でずっと黙っています。
顔の表情が全く見えないし、何か不気味な雰囲気が漂っている。何となく、エヴァンゲリオンの碇ゲンドウみたいだなと思った。(顔の前で手を組んだりはしてないけどね)
なんか気味悪いなと躊躇しながらも、「もう少しクリームを塗りましょうか?」と尋ねたら
彼は項垂れたままの状態で、まるで地の底から響いてくるようなやけに低い声で
「大丈夫です。」とゆっくり大きく答えたのです。
その声には有無を言わさぬ強い拒絶感を感じました。「これ以上塗ったらもう許さん!」みたいな…。さっきと違ってまるで別人がしゃべっているようでした。
「あー、これは乗っ取られてる!?」と瞬間的に思いました。
彼の倒れ方とか話し方を見て、突然憑依された人の経験談とよく似ていたのと、自分自身も似たような経験があったのでそう思ったのです。
レスキュークリームはちゃんと仕事をしてくれたと思います。本人の意識や体が目覚め、一時的に危機を脱したと思います。
でも1回塗った程度じゃ強力な憑依作用を解放することは無理だったのでしょう。
そうは言っても通りすがりの私にできることはここまで。
これ以上関わるとこっちが危ないと怖くなり、ちょうど電車が駅に着いたので(本当は降りる駅ではなかったのだけど)
「それはよかったですね、では失礼します。」
と一礼し、そそくさと逃げるように電車から降りました。
男性は一度も顔を上げなかったし、私にお礼の一言も言わなかったけれど、さて、あのあと彼はどうなったんでしょうね・・・😢
ちょっと後ろ髪を引かれるような、何とも言えない人助けの経験でした。




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