だいぶ昔の話になります。
その頃働いていた職場である人にいじめにあっていました。
やがてその人の声を聴くだけで恐怖で体が震えるようになり、一晩で髪の毛が脱毛してしまう経験もしました。(まさに昔の漫画で見かける10円ハゲそのものです。本当にできるんですね)
仕方ないので医療用のウィッグを作ってかぶり、時々ウィッグのメンテナンスや頭皮の治療でなんだかんだいって当時で【ウン百万円】は費やしました。ウィッグをかぶっていることは職場はおろか家族にも黙って働いていました。(最終的に違和感を覚えた家族にばれましたけど)
体調も悪くなり、病院に通うため職場を早退することも増えました。
そのため「体調が悪い人にはやめてもらったほうがいいのでは」と彼女がわざわざ上司に訴える口実にもされました。
そこまで我慢して働いていたのはお客様との繋がりを大事にしたかったからです。この会社は私がいなければだめなんだと妙な自負心もありました。が、組織なんて人が一人いなくなったって、なんとでもなるんだとわかり、だったら体を壊してまで働く意味があるか?と自問自答し、結局自分を守るために退職しました。
それまで会社の上司たちは全員私がいじめられているのを知っていながら見て見ぬふりをしていましたが、いざ退職するとわかると、突然話をしたこともないようなお偉いさんが慌てて電話をしてきて「色々あったというのは聞いていましたが…今までよく働いてくれました。私は前からあなたのことを評価していたんですよ」と猫なで声でねぎらいと感謝の言葉を伝えてきたのです。
・・・ あーー、要するに外部に漏らさないでねって意味ですね(苦笑)はいはい、わかってますよ、組織なんてそんなもんですから(😿)
(因みに、当時はモラハラ・パワハラの概念がない時代でしたので、こちらも積極的にどこかに訴えてやろうなんて気持ちもなかったです。そんな気力もなかったし。フェードアウトが精一杯でした)
さて、退職後長期間をかけて体調と脱毛を回復するのに努め、ウィッグも手放せるようになりました。
それからまた仕事を再開し、トラウマから一時は違う業界に行きましたが、やっぱり元の仕事が好きだとわかり、元の業界に戻り、以前の会社と違う別の職場に転職しました。
あるときこの業界の集まりがあり、あまり行きたくなかったのですが行かざるを得ず、行ってみると、やはり元の職場のいじめっ娘さんと再会。
キラキラした充実しきった笑顔で何事もなく私に挨拶する彼女。(いじめっこあるあるですね)
でも会った瞬間、なぜか「あ、この人もうすぐこの会社を辞めるんだ」とわかった。
「あなたもうすぐ辞めるの?」と思わず言いそうになりましたが、何の根拠もないので黙っていました。
まもなく半年後、寿退社でおやめになったそうです。
あの時口にしていたら、今頃彼女から預言者か霊能者扱いされて崇拝されていたかしら?😅
その後風の噂で彼女がお子さんを出産したことを知った。けれども妊娠中から徹底して動物性のものを避けていたにも関わらず、生まれたお子さんが重度のアトピー性皮膚炎を患っていてとても大変な思いをしているとか。
マクロビオティック的解釈ではアトピーになる原因は動物性食品なんだから、それを一切摂っていないならそうはならないはず。
ということは根本原因の一つである「皮膚の症状は人の恨みを買ったり対人関係でトラブルを抱えていることの現れ」なのかもしれないと思った。(⇒アトピーの根本原因は他にも色々あります。全てが当てはまるわけじゃありません)
正直、「それみたことか」「因果応報」という気持ちももちろんあったのですが、私だってその頃は小さい子供を抱えており、軽いアトピーの症状もあったので彼女の辛い親心もよくわかる。
でもね、お子さんに罪はないけど、親は子を見て反省を促されるというのもまた、厳しい「宇宙の理(ことわり)」。私も子供の病気を通して常に自己反省をする育児期間を過ごしたものです。
ある日、一通の手紙がポストに入っていた。
差出人は彼女から。
もう全く無関係なのに何をいまさら…と首をかしげながら開いてみると
「ごめんなさい。私はあなたに嫉妬していました。」
という文章で始まっていた。
長文がずっと続いていたけど、そこからあとは読まずにすぐに破り捨てた。
彼女もヒーリングに関心を持っていたので、どうせお子さんのアトピーの霊的な原因をどこかのヒーラーさんにでも教わったんだろう。
そして「今までいじめた人やトラブった人たち一人一人に懺悔と謝罪の手紙を送りなさい」とでも言われたんじゃないかな。
手紙を投函して、これで本人は肩の荷を下ろしてホッとしただろうね。
あのね…😞
謝罪するってことは、じゃあ、私がウィッグ代やら治療費やら身銭を切ったウン百万円をあなたに請求したら払ってくれるの?しないでしょう?
たまにいじめた側が後悔して被害者に謝罪する人がいる。
けれどもそれは自分が楽になりたいからっていうのが本音でしょう?そんなに心底謝りたいなら1億請求されても払いますって気概で本気で謝罪してほしい。
いじめられた側の心の傷はいじめた側が想像する何百、何千倍も大きく深いんです。
そんな手紙1通の謝罪で済む話じゃないんです。
私が彼女の立場だったら、もう傷つけてしまった人に今更謝らない。
そのままその人の中では私が悪人と認定されたままでいい。
怒りや憎しみのネガティブな感情は、決して100%悪いとは思わない。
時にはその感情があるからこそ、生きる原動力になることだってある。
私が悪人でいる限り、その人は憎しみながら自分の正統性と尊厳を守りながら明日を生きていける。
(もっとも、そのまま憎しみ続けるか、手放して「許し」や「慈愛」の境地に至るかはそれは本人が選択する問題です。)
ということで、その人にとって私は悪人のままでいいけれど、その代わり、その懺悔と謝罪と苦い思い出を胸に、ここから先に出会う人たちに対して同じ轍を踏まないように生きていこうと思っています。
ただ、こちらに悪意が全くなく、単なる誤解やすれ違いのトラブルなら話し合って向き合う必要があるでしょう。
かといって、世の中には自分が常に被害者でなくては生きていけない厄介な人もいるので、こういう人はどんなに誤解を解こうとしても「見たいように見る」のでちょっと面倒かも。
とどのつまり、状況と人によるわけで、ケースバイケースってことです。
さっき「怒りや憎悪の感情が生きる原動力になる」って書きましたが、昔読んだ小説で印象に残っている場面がありました。(記憶違いがあると思うので正確ではないかもしれません)
主人公が片腕を失う大けがを負い、叔父さんが止血してバイクの後ろに彼を乗せて病院に急ぐシーン。(救急車を呼べば?って突っ込みがきそうですが…💦)
叔父さんがめちゃめちゃひどく主人公を馬鹿にしたり罵ったりするんです。バイク飛ばしながら。
当然主人公は怒りの感情を爆発させ、叔父さんに食って掛かります。
実は叔父さんは、自分に憎しみの感情を向けさせることで痛みを忘れさせるように図ったんです。
ついでに痛みのあまり失神してしまうとバイクから落ちる危険性も十分あったし。
怒りも憎しみも時には必要悪の感情ってことですね。
話が逸れましたが。
もし、謝罪を考えているいじめっこさんがいたら、ここを読んで参考にしていただけたら嬉しいなーと思っております。
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